貧乏学生の恩返し
貧乏学生をやりながらイラストを描いていた2010年ごろ、初めて大判印刷を頼んだのがグラフィック社でした。安価で質がいい仕上がりに、木造ボロアパートの六畳間で大感激。当時の私は給付奨学金(経済困窮者枠)と貸与奨学金を併用しながら大学に通い、さらに深夜までバイトを掛け持ちして、食費を削ってデザインフェスタ(アートの展示会)への参加費用を捻出していたので、良心的な価格で仕上げてくださる業者があることに心から感謝しました。
時が経ち2024年。私はマスコミ企業に編集職で勤めて、安定した生活を送れるようになりました。もともと記者職採用で文章の編集が主な仕事でしたが、最近は学生時代からこつこつ絵を描いてきた実績が認められ、イラストの仕事も任せてもらえるようになりました。10万部以上発行されている媒体に、自分の絵が載るようになりました。
9月、肩書を「イラストレーター」としたカラーの名刺をオフセットで500枚注文しました。昔と変わらぬ良心的な価格と質の良さに懐かしさを感じました。そして11月、今度は会社名義で、自分がイラストを手がけた企業公式ノベルティの印刷をお願いしました。数量を絞ったため少額注文になりましたが、きょう会社に届いた商品は、やはり納得の仕上がりでした。
学生時代は、貧乏生活で余裕がなくても絵を描くことを諦められなくて、なけなしのお金で大判印刷を頼み、デザインフェスタに作品を出していました。展示机や椅子、壁面を借りる余裕がなかったので、ホームセンターで買った柱に麻紐をくくりつけ、A4サイズの作品をぶらさげて展示。床に段ボールと布を敷いて、自作ポストカードを並べて、その後ろにグラフィック社で印刷してもらったB2判のポスターを入れたアルミパネルを立てかけて、メイン作品としました。あの時代がなければ、あのときの大判印刷がなければ、今の私はありません。
私にとってグラフィック社は、夢に寄り添ってくれる会社です。世の中はデジタル時代で紙媒体が廃れつつありますが、今後、仕事でチャンスがあるたび「グラフィック社」の名前を出して印刷物を注文し、少しでも恩返しができたらと思います。