DTP/印刷の基礎知識断裁ズレに注意しよう

大きな紙に印刷された印刷物は、その後仕上がりサイズに断裁されます。その時、一枚一枚ではなく一度に大量の印刷物を断裁するため、断裁時の刃先の微妙な流れに影響されたり、紙の収縮などが原因で断裁ズレが起こります。断裁誤差をゼロにするということは大変難しく、どうしても切り落とし位置に微妙なズレが生じます。その断裁ズレによって起こる意図せぬ失敗もあります。ここではその注意点や回避策を紹介いたします。

塗り足し

塗り足しとは、印刷・加工の中でどうしても発生してしまう「ズレ」を想定し、仕上がりサイズからはみ出して写真や色を付けておくことをいいます。「✕」の図のように塗り足しが作成されていないと、断裁ズレによって仕上がり線に沿って紙白が覗いてしまうおそれがあります。紙白が覗くことを防ぐために、「○」の図のようにレイアウトを仕上がりサイズの約3mm外まで余分に作成します。基本となる塗り足し幅は3mmです。

断裁が外側にズレた場合塗り足しを3mm確保

断裁線付近に配置されている文字

文字や図形など大事な情報は塗り足しに出してしまっても断裁線(仕上がり線)付近に配置されていてもいけません。「✕」の図のように断裁線付近に文字が配置されていると、断裁ズレによって文字などが切れてしまうおそれがあります。そのため、「○」の図のように仕上がり線より3mm程内側に配置します。

断裁が外側にズレた場合塗り足しを3mm確保

断裁線に沿って作成されている均等のフチ

断裁線(仕上がり線)に沿って1mmなど細い幅での均等のフチ(余白)を作成されるのもお薦めいたしません。「✕」の図のように細い幅で均等のフチを作成されていると、断裁ズレによってフチの幅が上下左右均等にならないおそれがあります。例えば0.5mmの断裁ズレが生じた場合、フチの幅は1mmの差が生じます。「○」の図のように幅を大きくすればその分、ズレが目立ちにくくなります。3mm以上の幅で作成されることをおすすめいたします。

断裁が外側にズレた場合塗り足しを3mm確保
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