Affinity Designer / Publisher
データ作成時の注意点
配置画像の解像度
画像解像度とは、画像の精細さをあらわす数値で、dpi(dot per inch)や、ppi(pixel per inch)という単位が使用されます。
(本来は画像そのものの画像解像度はppiで、印刷など出力時の解像度をdpiといいます。)
ピクセル(ドット)が1インチ(=25.4mm)にいくつ並んでいるかを示していて、数値が大きいほど、画素の密度が高くなり、高精細になります。

- 印刷用の適正な解像度は350~400dpiとなります。
- ポスターなどは離れて見るので200dpiほどでも問題ありません(大きなサイズの画像を400dpiにすると、データ容量が非常に大きくなり、作業環境に負担がかかります)。
- 72dpiはスクリーン解像度といって、WEBなどで用いられる、画面表示用の解像度です。モニタではきれいに見えていても、印刷には不十分ですので、粗い、ドットが目立つ仕上がりとなり、文字などは読めないことがあります。ホームページの素材を印刷に流用したときによく問題となります。
印刷では実際に使用するサイズで、画像解像度が適正な350~400dpiになるよう調整してください。
用途別解像度
71~96dpi | Web用解像度(スクリーン解像度) |
---|---|
200dpi | 離れて見るポスターなどについては、印刷用としても使用できる。 |
350~400dpi | 印刷用解像度 |
画像解像度のチェック
Affinity Photoで確認(画像データそのものの画像解像度)
「ドキュメント」メニュー →「ドキュメントサイズを変更」のチェックを外して「サイズ」に使用サイズを入力すると、その使用サイズにおける解像度を確認することができます。
また「解像度」を印刷用適正解像度に変更すると、その解像度における使用サイズを確認することができます。


Affinity Designer / Publisherで確認(配置したサイズでの画像解像度)
「ウィンドウ」メニュー →「リソースマネージャー」で、「該当の画像」を選ぶと、アプリケーション内で拡大・縮小した後の、実際の使用サイズに対する解像度をチェックできます。
アプリケーション内での過渡の拡大・縮小は画像劣化の原因となり、不必要にデータ容量を大きくします。拡大・縮小は70%〜130%ほどにとどめ、画像サイズは画像編集ソフトなどを使って、できる限り元の画像ファイルをで調整してください。
「元の画像データの解像度」 = 「配置画像の解像度」となるのが理想です。

画像解像度と画像サイズの変換(Affinity Photo)
デジカメで撮影した画像などを、印刷で使用したいサイズに合わせると、解像度が大き過ぎたり、不足したりと、程良いデータを用意することが難しい場合があります。そのような時は、Affinity photoでピクセル数を補完して、サイズ・解像度を調整することが可能です。
1「ドキュメント」メニュー → 「ドキュメントサイズを変更」

2「リサンプル」のチェックを外して「サイズ」欄に使用サイズを入力します。

3画像を統合し、適正な解像度を入力する。
「リサンプル」のチェックを入れて「DPI」に適正な解像度を入力すると、ピクセル数を調整して、サイズはそのまま、解像度を変更する事ができます。逆に画像解像度を変えずに、サイズを変更することも可能です。
「リサンプル」する場合は、事前に「画像を統合」してください。
「ドキュメント」メニュー→「画像を統合する」

「ドキュメント」メニュー →
「ドキュメントサイズを変更」でリサンプルする

解像度を上げる場合やサイズを大きくする場合、元のデータに無いピクセルを生成しますので(ピクセル補完)、どうしても画像の劣化は避けられません。可能な限り使用サイズよりも大きな画像データをご用意ください。
「リサンプル」のピクセル補完方法はオプションで選択することができます。
変換結果を確認しながら、より最適なオプションを選択してください。

〈 各種変換方式について 〉
Lanczos(ランチョス)法
バイキュービック法よりもさらにシャープで、より多くのディテールを保持した結果が得られる傾向がありますが処理時間も長くなる傾向にあります。「分離不可」は、「分離可能」よりもわずかに良い結果が得られますが、処理時間は長くなります。
バイキュービック法
高精度な画像補完方法です。周囲のピクセルを計算して中間の色のピクセルを生成します。
バイリニア法
バイキュービック法とニアレストネイバー法の中間的な画像補完方法です。バイキュービック法より計算に用いる周囲のピクセル数が少ないため、処理が早くなります。
ニアレストネイバー法
元データになり色のピクセルは生成せず、もっとも近いピクセルで埋める画像補完方法です。画像の輪郭がギザギザになりますが、線画画像の拡大・縮小などに効果的なことがあります。
画像の再サンプルを繰り返すと画像が劣化しますので、一回の調整で適切なサイズ・解像度にすることをおすすめします。